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テキーラの魅力を発信するテキーラバー「Elote(エローテ)」がオススメする、まさひろオキナワジンの味わい方
メキシコを中心に自生する多肉植物アガベ(リュウゼツラン)の茎を原料に作られるテキーラ。日本ではまだあまり馴染みのないお酒ですが、アガベ特有の甘さや味わいは世界中のテキーラファンを魅了し続けています。今回は、沖縄初のテキーラ専門バー「Elote(エローテ)」の店長 渡邉憲夫(わたなべのりお)さんにお話を聞かせていただきました。渡邉さんは日本テキーラ協会が認定するテキーラ・マエストロ(ソムリエ)。「テキーラの魅力を日本でも広めたい」というビジョンを胸に、日々活動されています。
−なぜテキーラ専門バーをオープンされたのでしょうか?
テキーラは誤解されやすいお酒だと思います。日本では「クセが強くて飲みづらい」と思っている方や「ショットで一気飲みするお酒」「テキーラショットで罰ゲーム(翌日は二日酔い)」というようなネガティブなイメージを持たれている方が多いですよね?海外ではそんな立ち位置にはいないので、そのことを認識していただきたいです。
実際に海外ではセレブやハリウッドスターの間で愛飲者が多くて、ギタリストのカルロスサンタナ、ヴァンヘイレンの元ボーカリスト サミーヘイガー、ロックバンドのAC/DC、俳優のチャーリーシーンなどがテキーラをプロデュースしています。ジョージクルーニーが立ち上げたテキーラブランド「カーサミーゴス」は特に有名ですね。最近ですと、マイケルジョーダンがテキーラ「cincoro(シンコロ)」をプロデュースして話題になりました。
原材料が植物由来というところで、健康志向の高いセレブに注目されたのかもしれません。
テキーラって、ワインやビールのように焦点を当てられることがあまりないですよね。ですから、正しい情報を発信しながら多くの方に楽しんでいただけるようなお店でありたい、と思っています。テキーラの間違ったイメージを変えていきたいです。
−エローテではどれぐらいのテキーラを扱っていますか?
200種類以上です。これだけの数を扱っているテキーラ専門バーは、沖縄ではここだけだと思います。その他にもスピリッツや蒸留酒など、一般的なバーで揃えているお酒は一通り揃えています。
−渡邉さんがテキーラに興味を持ったきっかけは?
私は神奈川県川崎市の出身なのですが、川崎駅前はテキーラーのトップブランド「クエルボ」のシェア率が日本一になるぐらいの場所で「なんでこのお酒はこんなに飲まれているんだろう?」と思ったことがきっかけです。ちょっと調べてみたら、意外と厳重に管理されているお酒だということが分かって「面白いな」と。その時にタイミングよく日本テキーラ協会のことを知り、学んでみようと思って受講しました。
−川崎出身とのことですが、沖縄に移住されたのはいつですか?
今から2年半ほど前です。東京にGatito(ガティート)というテキーラ専門バーがあるのですが、エローテは姉妹店にあたります。エローテをオープンする際、店長として雇ってもらうことになりました。Gatitoの店主 伊藤裕香さんとはもともとテキーラ仲間で、声をかけてくださったのです。
沖縄は住む場所ではなく“息抜きで行くところ”という感覚でした。沖縄は好きで、年に1度は遊びに来ていたんです。知り合いがうるま市に住んでいたので、うるま市でボケーっと過ごしていることが多かったです。今は那覇に住んでいますが、移住するまで那覇のことはほとんど知りませんでした。
−エローテの客層は?
「客層は幅広いですね。沖縄に住む地元の方も、観光やお仕事で沖縄に来られた方も。国籍も様々です。最近は「テキーラに興味がわいたから」と、探して来て下さる方が増えてきて、嬉しく思っています。」
−テキーラの正しい飲み方を教えてください
お好きなように…と思っていますが「テキーラって初めてで、専門店があると聞いて来てみたんです」という初心者の方には「まず飲み比べしてみましょうか」と提案させていただくことが多いです。ストレートの状態で飲んでいただくと味が分かりやすいので、何かと割らずに。その際は一気飲みするのではなく、適したグラスでゆっくり味わっていただきたいです。
−エローテでは、テキーラを使ったカクテルもありますか?
テキーラベースのカクテル、マルガリータをフローズンスタイルに仕上げた「フローズンマルガリータ」は人気ですよ。テキーラのアルコール度数は35度から高いものだと55度ありますが、フローズンカクテルにすると口当たりが優しくなるので。
それから、認知度があまり高くないのですが「パローマ」というカクテルもおすすめです。パローマはスペイン語で鳩という意味です。メキシコにはグレープフルーツとライムのフレーバーが効いたスクアートという炭酸飲料があるのですが、テキーラをスクアートとソーダで割って、ライムを絞って、グラスの縁に塩をつけるカクテルです。日本のグレープフルーツサワーに近い感じでしょうか。飲み口が良いので「すいすい飲んでいたら千鳥足になってしまう」というところから、このように名付けられたそうです。
−テキーラ初心者におすすめする1本は?
銘柄で申し上げますと、Don Julio(ドンフリオ)でしょうか。最高級のアガベだけを使用し、原材料から製法まで徹底した管理のもとで作られたドンフリオは辛味がおとなしくスムースで口当たりが優しいのが特徴です。長い間支持されている銘柄で、ブランドイメージはテキーラ界の中でも随一の人気を誇っています。熟成期間が異なる3種類をご用意していますが、新種は青々しく爽やかな味わいが楽しめ、熟成させるほどにバニラ香が強くなります。
−まさひろオキナワジンを仕入れた理由
まず、私は泡盛というものに興味があります。フランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのみがシャンパンと名乗ることができますが、テキーラも原産地呼称が世界で認められていて、5つの州(ハリスコ、ナヤリ、タマウリパス、ミチョアカン、グアナファト)内で製造されたものしかテキーラの称号を得ることはできません。琉球泡盛もそうですよね、沖縄で、タイ米と黒麹菌を使用して全麹仕込みで製造されたものを琉球泡盛として産地呼称が認められています。そして泡盛もテキーラ同様「飲みづらいお酒」と勘違いされることが多い。そんな共通点もあって、泡盛には興味があったのです。泡盛酒造がジンを出したと聞いて…。興味を持たない理由がないですよね(笑)。
−まさひろオキナワジンの魅力はどんなところだと思いますか?
まさひろ酒造、瑞穂酒造、石川酒造、沖縄ではこの3社でジンを作っていると思うのですが、私の感覚ではまさひろ酒造のジンが最も泡盛の風味が残っていると感じました。それぞれ個性が異なってどれもおいしいのですが、まさひろオキナワジンは原材料の香りが力強く出ている印象です。焼酎ファンとジンファンを繋いでくれるのではないかと思います。
−まさひろオキナワジンのおすすめの飲み方は?
ソーダ割りや、ソーダとトニック半々で割るのが良いと思います。柑橘の皮をキュッとひねって、香り成分を飛ばして香り付けするとさらにおいしさが増すのでおすすめです。まさひろオキナワジンはシークヮーサーを使っているので、シークヮーサーの皮で香り付けするのがベストだと思います。
それから、意外と牛乳割りも好きです。ジンと牛乳は1対4の割り合いで。牛乳がジンをふわっとコーティングして、柔らかくシルキーな味わいにしてくれるのです。
−まさひろオキナワジンに合わせるおすすめのフードは?
トマトが合うと思います。なぜかと申しますと、ジンは蒸留酒なので糖分が残っていないですし、旨み成分が出づらいお酒です。料理でその足りない旨み成分(グルタミン酸)を補うことで、バランスがとれます。トマトはグルタミン酸が含まれた野菜なのでまさひろオキナワジンには合うはずです。甘酸っぱいトマトのマリネや、季節のフルーツとトマト、エビを合わせてサラダ仕立てにしても良いと思います。
−渡邉さんが好きな沖縄のスポットを教えてください
自宅が那覇なので、休日にはお散歩がてらフラフラっと近所の酒屋さんに寄って缶ビールを買って、波の上ビーチに行ってのんびり過ごすことが多いです。最高の過ごし方ですよね?観光で来られた方にも、この過ごし方はおすすめしたいです。
Elote(エローテ)
住所:沖縄県那覇市牧志1-1-39 ステップビル4F
Photo&text:舘幸子
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